【雑学】進物慣習について

 このコラムは、進物のことについて簡単にではありますが記載いたしますので、お送りものをされる時のご参考程度に見ていただければと思います。

 ただのし紙の慣習は地方地方で様々であり、送り主とお届け先が離れている場合、どちらの慣習に従うべきなのかなど迷えば迷うほど深みにはまってしまいます。
 色んなライフスタイルが存在する昨今、必ずしも正しいマナーという事は難しいかと思いますので、最低限の知識だけをここではご紹介致します。

のし紙の基本

 

慶事は紅白水引、弔事は黒白・黄白水引

このようなことはご存知かもしれませんが、念のため、基本ルールの確認です。

慶事なら、紅白の水引。結婚式のお祝いでなければ、水引の結び方は「蝶結び」です。
ただし、結婚式のお祝いのときは「結び切り」ののし紙を使います。結び切りというのは一度結んだら解けない結び方です。結婚式は一度きりのお祝いですから、こちらの結び方になるわけです。

弔事なら、黒白または黄白の結び切りの水引。「のし」は付けません。

少し迷うのが、お見舞いです。病気のお見舞いなどは、お祝い事ではありません。
この場合は、二度とないように、という意味を込めて「紅白の結び切り」を使います。また、「のし」は付けません。

「寸志」「無地のし」は慶事用か弔事用かを必ず確認

気をつけないといけないのは「寸志」です。慶事にも弔事にも使われますが意味が反対です。
お客様は「寸志にしておいて」と指定されても、喜び事なのかお悔やみ事なのかを必ずご指定下さい。
それと「無地のし」(表書きを書かないもの)を指定される場合です。
のしはそもそも慶事に使われる様式ですが、無地のしの場合は、慶事用か弔事用かご指定下さい。

「のし紙」は日本古来の贈答様式

のし紙は、贈答品にかける紙で、のし・水引で構成されています(のしは付けない場合もあります)。
かつては、進物に奉書紙という厚手の和紙をかけ、紙をこよった紐で縛り、右上に縁起物の熨斗鮑を添えて贈りました。それを簡略化し、1枚の紙に印刷したものが現在ののし紙です。
そして、水引の結び方、のしには意味があります。


●のし
もともとは、長寿をもたらすものとして縁起の良い「熨斗鮑(のしあわび)」を贈答品に添えていましたが、次第に簡略化され、今のような形になりました。のし=熨斗鮑ということから、生ものを贈る場合や、葬儀・法事などの弔事、病気や災害のお見舞いには付けません。

●水引
かけ紙の飾り紐に由来します。見本のような蝶結びのほか、結び切り(本結び)タイプがあります。色の組み合わせも、慶事と弔事で異なります。紐の本数は、5本、7本、9本、婚礼の場合は10本の紐をかさね、結びます。
水引には、大きく分けて2種類の結び方があります。

ひとつは「蝶結び(花結び)」、これは、何度も結びなおせるため、何度あってもよいお祝いごとに使います。ほとんどのお祝い事はこのタイプです。
もうひとつは「結び切り(本結び)」、ほどけない結び方ですので、結婚など一度限りのお祝いや、葬儀などの弔事に使います。

なお、結び切りには、結び目を8の字のように交差させた「あわじ結び(あわび結び)」もあります。一般には結婚や葬儀・法事などの弔事用に使われますが、関西など一部地域では、一般のお祝い事にも使われることがあります。

水引の色ですが、お祝い事には紅白または金銀、葬儀や法事には黒白、黄白(地方により習慣が異なります)、双銀などを用います。

●表書き
贈答品の目的を記します。

●名書き
贈り主の名前(姓名または姓、親しい間柄では名だけのことも)を記します。

ご進物・贈答品を贈る時期一覧表

準備中 準備中